高齢者とは65才以上をさし、74才までを前期高齢者:The young old、75才以上84才までを後期高齢者:The old old、85才以上を超高齢者:The oldest oldと呼ぶそうです。
人間の体の生理的な機能を観察していると、子供を産んで子孫=DNAを残した後は予備能力がどんどん落ちていきます。日常生活動作がスローになり、若い頃は簡単にできていたことができなくなります。咄嗟に受身ができていたのにバランスを崩す。海の中をスイスイ歩いていたのに片足立ちができなくなったりします。
日常生活動作の基本的な機能を5つ上げることができます。
D:dressing 着替え
E:eating 食事
A:ambulating 移動、歩行
T:toileting 排泄
H:hygiene 衛生、入浴、歯磨き (生協浮間診療所藤沼康樹氏)
老化してきたかどうかなかなか本人には分かりませんが、周囲の人は気が付きます。それは老臭です。Tの排泄、Hの衛生、あるいはDの着替え、Eの食事、Aの移動すべてが老人の匂いを発生する要因です。歯磨き、うがい、入浴といった日常生活動作を規則正しく続けることが大事です。とりわけ歯を大事にすること、よく噛むことは脳の賦活に繋がります。歯医者へ行って口腔内の雑菌を顕微鏡で見せてもらうと、歯磨きやうがいがいかに大事かが分かります。排泄と入浴が一人でできなくなったら要介護です。
すべての日常生活動作がスローになる中で、最も怖いのが誤嚥です。就寝中、唾液と一緒に口腔内細菌を飲み込んでしまう不顕性誤嚥です。さらに口腔内ケアが悪いと誤嚥性肺炎となります。口腔内雑菌を取り除き、清潔を保つために歯磨き、うがいをし、食道からの逆流・誤嚥を防ぐ意味で毎食後2時間は坐位を保つ必要があります。
自分で嚥下障害を評価できる試験があります。
1.Water swallowing test水飲み試験:30mlの水を飲み、のみ終わるまでの時間が10秒以内 で、咳やムセもなければ正常です。
2.The Repetitive Saliva swallowing test:30秒間に何回、空嚥下できるかどうかを測定しま す。高齢者の平均値は6.2回で3回以下では異常となります。
よく生きるということは自らの死を想像し、自分の死から翻って現在の自分を眺めてみる事から始まります。今生きている証を刻む、今日一日を楽しむことであると思います。
自分が何のために生きているか、分かってから生きている人は多分いないと思います。物心がついた時にはもう生きているわけですから。子供が大人になる青春時代に「人は何のために生きるのか?」と真剣に悩んで親や故郷から自立していくのが自然です。
「何のために死ぬのか?」と考えた際に「何のために生きるのか?」という疑問に対する解答が出るかも知れません。祖先のDNAをもちDNAを子孫に残し死んでいくのは、人類の意志だと思います。人は生きて子孫=DNAを子孫に残すように仕組まれているのです。種の保存ができれば個体は死んでいいのです。
「あーでもない、こーでもない」と悩む、迷うのが生きている証であると、ゲーテは「ファウスト」の中で書いています。
生きているということは心と体が喜ぶことです。楽しいこと、ワクワクドキドキすることにチャレンジすると心と体(DNA)は喜びます。
全ての生物に死は訪れます。死を怖れて毎日を生きるのではなく、生老病死を自覚してよく生きること、生きている証をしっかりと刻むことが大事だと思います。そう思って周囲の自然を見渡すと小さな虫、雑草すべての生物の生命の営みがいとおしく感じられ、生きている意味がほのかに理解できると思います。 |