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先輩レジデントから
先輩レジデントからの一言

宇多野病院神経内科では、一般病院であればなかなかみられない稀少な疾患をたくさん経験できます。神経内科専門医の先生方が10人とたくさんおられて、それぞれ専門にされていることを深く教わることができます。レジデントのための回診が週1回あり、自分の担当している患者さんについて診察から診断まで、基礎からきちんと学ぶことができます。また平日は何かと忙しく過ごしますが、病棟が落ち着いていれば腰をすえて自分の勉強をすることができます。春になると桜が咲き乱れ、緑に囲まれたとても美しい職場環境です。

先輩レジデントからの一言

 当院の研修の良いところとして、
1)症例が豊富であること(他院で診断のつかなかった症例の紹介があり難しいながら勉強になります)
2)神経内科専門医の人数が多く、色々な意見をきけること(同じ症例でも多方面からの検討がある)
3)それぞれの分野の専門の先生から指導をうけられること(レジデントのためのカンファレンスと回診がある)
4)脳波や筋電図検査の勉強ができること
5)基本的な質問にもこころよく教えていただけること(これはこういうものといった回答ではなく、理論的な回答でなるほどと納得できる)
といったところでしょうか。

指導医からのメッセージ

私たちは、卒後5年目までの臨床経験が、その後の臨床能力に大きな影響をもつと考えています。神経内科は、内科の分野の中でももっとも古典的な色彩の強い分野で、主訴・病歴から3,4の鑑別診断を念頭に置いたうえで、病歴を要領よく聞き出し、さらに鑑別診断を絞って、「神経学的所見としては、○○が予想される」と思って、神経学的な所見をとり、それを確かめる、という手順を取ります。こうした思考過程Gedankengangをきちんと身につけることはneurologistに限らずphysicianには要求されることですので、当院では特にこの点を重視して、教育にあたっています。レジデント回診では、「なぜ、そう考えるのか、なぜその検査が必要か」を議論するようにしています。

1. 神経変性疾患分野(大江田医長)

歩きにくい、字が書きにくいといった主訴と病歴を理論的に整理しながら疾患予想を立てる。次に、わずかな診察道具を用いて系統的にとった神経学的所見から臨床診断にたどり着く。さらに、神経画像検査等でそれを裏付ける。その華麗(!?)な作業の後に、治療を開始します。近年、神経変性疾患の病態理解が急速に進歩するとともに<治療法のない難病>といった古典的概念は徐々に払拭されつつあります。特に、変性疾患の中で最も頻度の高いパーキンソン病に対する内科的治療の進歩は著しく、作用機序の異なる各種薬剤を患者さまの病状に合わせてうまく調整し、病態にもとづいた生活指導を併用することで、一般人口と遜色ない寿命が得られるまでになりました。そのため、疾患を初期よりライフスパンで捉え、できるだけ長く不自由のない社会生活を送っていただけるような治療を心がける必要があります。そのようなノウハウを学びながら一緒に働きませんか?

2. 免疫性神経疾患分野(田中部長)

免疫系が関与する神経疾患は、多発性硬化症や重症筋無力症、ギランバレー症候群などの自己免疫性ニューロパチー、傍腫瘍性神経症候群などが挙げられますが、これからはアルツハイマー病のワクチン療法が現実的になってきましたし、パーキンソン病までもがワクチン療法の対象となる可能性も報告される時代となりました。21世紀は従来直らないとされてきた、変性疾患への免疫療法の時代ともいえましょう。

 当院では、国内最大規模の多発性硬化症(MS)患者さんを抱え、さまざまな提言を行って参りましたが、今後も日常診療を通して、新しい考え方や治療法を紹介してゆきたいと考えております。また、日本全国の患者さまや研修医の皆さん、MS研究者の利便性も考慮し、当院のホームページや会員制のニュースレターで情報を流しております。全国から集まってこられる患者さまのニーズにお応えし、よりよい療養環境確保をめざして、そして、将来はワクチン療法への対応も含め、一緒に日本の免疫性神経疾患の診療と臨床研究を切り開いてゆこうではありませんか。闘う仲間を募集します

3. 認知症関連疾患担当(須藤医長)

わが国では急速に高齢化社会が進行し、認知症の患者数は増加の一途を辿っており、認知症性疾患の診療における神経内科医が果たす役割の重要性が増してきています。京都府も例外ではなく、宇多野病院に設置されたもの忘れ専門外来には数多くの受診があります。近年、認知症の診断は画像診断や生化学的診断などの進歩によって的確に行えるようになってきています。宇多野病院では神経学的診察、臨床心理士による神経心理学的検査、MRIやSPECTなどの画像解析を用いて、総合的に評価しアルツハイマー型認知症、前頭側頭型認知症、レビー小体型認知症などの診断を行っています。これらの診察、検査手順から治療、介護プランまでを系統的に習得するとともに、認知症性疾患特にアルツハイマー病の病態を分子レベルでの理解することによって、臨床で得た経験を研究に生かせるようなリサーチマインドも兼ね備えた神経内科医を育成したいと考えています。

4. 臨床電気生理分野

神経内科における電気生理検査は、ハンマーのごときものです。神経学的所見により部位診断しますが、それを検証する手段です。診断が正確かつ迅速になります。また治療の経過を追う上での客観的指標になります。
基本は3種類の検査です。
神経伝導検査:末梢神経障害の有無、障害が脱髄性か軸索性かの鑑別に使います。
誘発電位:中枢のどの経路に異常があるかを調べます。
針筋電図:下位運動神経における軸索障害をみつけ、レベル診断します。
電気生理は診断だけではなく、治療にも使われます。たとえば経頭蓋磁気刺激は変性疾患の治療に、針筋電図は不随意運動に対するボツリヌス治療に使われます。
電気生理外来では、まず神経学的所見をとり、部位診断にあわせて検査内容を決めます。そして実際に自分で検査します。最終的には検査所見をつけ、今後の方針を示して報告書作成を終えます。指導医はこれら一連のプロセスを一緒に検査しながら指導していきます。当院ではこのような電気生理検査の基本と応用を習得し、実戦を身につけ、そこから神経内科疾患の理解をより深いものにしていくことを目標にします。

5. 脳波・てんかん分野(木下医長、松本医師(京都大学 助教))

大半のてんかん患者さんは、投薬治療で通常の社会生活を営めますが、年単位の服薬が必要ですから、初期診断が非常に重要です。また、一見投薬コントロールが良好な患者さんでも、生活の上で様々な点に留意しながら投薬調整をする必要があります。難治てんかんの患者さんでは診断を定期的に見直し、外科治療も念頭に置いて、正しい病状把握をしなくてはなりません。発作科研修では、適切に診断と治療を行うための基礎知識を習得し、自力で治療方針を決定できることを到達目標としています。外来では問診から検査の解釈、説明と合意までのプロセスを経験できます。病棟では長時間ビデオ脳波モニターを中心とした特殊検査や、細かい薬物調整の方法などを学んでいただけます。また、てんかん診療や脳波解析を中心とした臨床研究、新薬の導入に際する臨床治験や市販後調査も行っています。

6. 脳神経外科分野 (森村部長)

最近ではピロリ菌の除菌によって、胃潰瘍が激減したように、各専門分野における診断と治療の進歩は加速度的です。常に新しい知識を吸収・消化する柔軟性が要求されます。顔面痙攣や三叉神経痛に対する、微少血管減圧術の効果は劇的であり、その手術に立ち会われることを勧めます。視床下核に深部電極を留置する手術も一見の価値があります。医療技術の進歩によって、一つの疾患に対する、多様な治療選択肢があることを実感して頂きたいと思います。
当科では、24時間脳卒中受け入れを行っており、超急性期の治療に携わっていただけます。

7.脊椎・脊髄外科分野 (岩下部長)

四肢の痺れ痛みや麻痺を来す疾患の中には、脊髄あるいは末梢神経の物理的な圧迫によって生じるものもあります。このような疾患に対して、当科は、脊椎・脊髄外科センターとして神経内科と協力して、投薬、物療、リハビリ、装具等の保存的な治療を行い、改善の見られない場合は外科的に治療を行います。 専修医の先生には、脊椎レントゲン写真、脊髄MRI、脊髄造影、神経根造影等の画像診断法を指導し、実際の脊椎脊髄手術あるいは末梢神経除圧手術に立ち会って頂きます。私は、神経内科医が外科的な治療法に関する造詣も深め、適切な時期に外科的な治療法を検討出来ることは重要と考えます。

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