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薬のちょっといい話
薬の吸収
クスリは体の中でどう働くのでしょうか。クスリがその働きを発揮するためには、体内に吸収され効果を示すところへ届くことが必要です。あたりまえのように思いますが、これがなかなか難しい。クスリの開発で、とても苦労するところ・・・でもあります。
クスリの吸収は、投与経路(内服、外用、注射など)によって、またクスリの性質によってさまざまです。のみ薬の場合、大部分は小腸から吸収され、肝臓を通って(一部、分解されて)、血液等の流れに乗り全身に運ばれます。坐薬は直腸の粘膜から吸収され、肝臓を通らずに血中へ入ります。ですから、一般的に坐薬の方が早く効きます。注射薬は、直接、血液中にクスリを入れますから、さらに早い効果が得られます。
薬の分解
クスリは体の中でどのように分解されるのでしょうか。クスリが吸収されて体の中に入り効果が出ると同時に、体はクスリを変化させて体の外に出そうとします。このような変化はクスリに限らず、食べ物なども含め、どのような物質にもあてはまります。
クスリの作用時間は、クスリの吸収と分解・排せつのバランスから決まります。吸収を遅くさせるために、スポンジのようなものにクスリをしみこませ、徐々にクスリが溶け出すように作られたものや、クスリの構造に手を加えて、徐々に分解されるようにデザインされたものなど、1日1回だけ飲んで効くタイプのクスリは、いろいろな工夫をして、長い時間効くように設計されています。
めぐすりは一滴で十分でしょうか

めぐすりは一滴で十分でしょうか。めぐすりは涙と混ざり合った後、主に角膜(かくまく)をとおって目の中にしみこんでいきます。1滴のめぐすりの量は約50μL(マイクロリットル:ミリリットルの1000分の1)です。結膜嚢(けつまくのう)にためておける水の量は30μLですが、結膜嚢には常時涙液が7~10μLありますから、めぐすりを使ったとき、ためておけるめぐすりの量は20~23μLとなります。
つまり、めぐすり1滴の半分近くは結膜外にあふれるか、あるいは涙点からすい込まれて、涙小管→涙嚢→鼻涙管をとおって鼻から喉へ出てきます。また、めぐすりを何滴点眼しても、めぐすりの効果は変わりません。
1回のめぐすりの量は1滴入れば十分で、めぐすりを1滴以上使うことはは意味がないこととされています。
(画像:慶應義塾大学病院HPより引用)
薬の吸収と水
クスリを水なしで飲むのは避けましょう。クスリが吸収されるには、クスリが水に溶けた状態でなければなりません。水がなければ溶けにくいので、吸収が遅れ効果も現れにくくなってしまいます。場合によっては、溶けずにそのまま便の中に出てしまうこともあります。水にはクスリを飲みやすくするという役目もあり、「水なしでも飲める」という方でも、水で飲んだ方がクスリは飲みやすいと思います。
錠剤やカプセルを水なしで飲むと、食道に引っかかったりくっついたりなどして、その場で溶け出し、食道潰瘍などをおこすこともあります。特に、飲み込む力の弱っているお年寄りや子供さんの場合、クスリが確実に胃に届くよう、飲んだ後も5分位は横にならない方が良いでしょう。クスリによっては、「服用後30分は横にならないように」と指示されているものもあります。飲みにくい場合は、ドラッグストアなどで販売されている服薬補助用のゼリー剤などを使ってみてはいかがでしよう。
